投げてみたくて

2012年6月23日（土）　浜名湖‐舞阪漁港（まいさかぎょこう）

最近"タコ"の夢をよく見ます。
そう、普段は海にいて、時には、
小麦粉とキャベツに包まれて現れるあのタコです。
これを　"魚"　だと思っている人がいるらしいのです。


なんとなく、わからなくもないです。
事実、漢字で書くと"鮹"と魚へん　だったりします。
だが、漢字で言えば "蛸" と虫へん　の方がよく使われたりします。

え、虫なんだ～!？　と、思った人も、いるかも知れません。

ひょっとして、周りから、"天然" と呼ばれていませんか。
（私は、忘れたころに、ときどき言われます。）


でもあながち間違いでもなくて、昔の中国では、
虫は、いわゆる　"昆虫"　だけを指していたのではなく、

蛤（ハマグリ）、蠣（カキ）　など貝類
蛭（ひる）　など　ぬめぬめ細長類
虹（にじ）、蛇（へび）　　　　竜の化身？　細長化身類
蛙（かえる）　　　ねめねめぴょんぴょん類
蚣（むかで）、蟹（かに）、蝦（えび）　脚わさわさ類

などにも使われていたのです。
つまりタコさんは、足たくさん、ぬめぬめ、細長へび様足、柔らか、
と、まさに、"虫" さんだったのです。（昆虫じゃないけんね！）
実際は、軟体動物門 頭足綱 (とうそくこう）　八腕目（はちわんもく）に属します。

えっ？　タコのあれは足なの、それとも手なの？

と思われた方がいるかもしれません。
先ほど、　"天然" 呼ばわりして申し訳ありませんでした。
きっと、周りからは、
"子供相談室に電話してくる、こうるさいガキ"といわれているのではないでしょうか。

日本では、足と表現されますが、英語ではarm（腕）です。
実際には、2本が移動に使う"足"で、残りが、様々なことを行う"腕"という報告もあるようです。
まあ、私的には、どっちでもいいです。

因みに　肖は、肖（あやかる）という意味で何かのまねごとをして利益を得ることを意味しています。

この"蛸"、よく見ると、奇怪な面様をしていますが、
不思議な、ローカル伝説が存在しています。

ヘビが変化（へんげ）して蛸になった!!!　　
（恐ろしいです。たこ焼き食べれなくなります。）

蛸が月夜の晩、陸に上がり、大根を盗みに来る!!!　
（守口大根なら、どうするのだろう。その時の顔を見てみたいです。）

奇々怪々です。

実は、蛸に関することわざもあるのを御存知でしょうか。
結構怖いんです。

まな板の上の蛸　
　→　まな板の上の鯉と同じ。　でも、くっついたら取れへんで～。

やかんの中の蛸
　→　身動きがとれなくなること。　　きゃー、助けて！

蛸は身を食う　
　→　資産を食いつぶしてしまうこと。　あらまあ！



恐ろしいです。でもさらに恐ろしいのは・・・、




耳にタコができる
　→　これは、恐ろしいですよ～。人面瘡（じんめんそう）ですか～。
耳が重い～、　　　助けてくれ～、　　　ぬめぬめや～。

寝タコを起こす　
　→　これはもう～、とんでもない状況のはじまりですよ～。
何が起こるかわからんとこが、そら恐怖を煽りますわ。
やめろ～そっとしてけ～、あ、あ、あ～！　　

まあ、蛸ちゅうのは、不可解な生き物ちゅうことですね。




エギでタコを釣る　　→　少量の元手やわずかな労力で大きな利益を得ること。

でも、こんなことわざもあったような、なかったような・・・、う～ん！？



ということで、金曜の夜から浜名湖の舞阪漁港へタコのエギングに行くことにしました。

2012年6月23日　（金）

18：00、　タコ釣り用の適当道具と、念のためキス釣り用の道具を車に積んで浜名湖に向かいました。
途中前回のことがあるので、食事を済ませて、到着後、すぐに釣リ始めるつもりです。

しかし、それが誤算でした。
目当てのラーメン屋の駐車場が混んでいて、暫く空き待ちをして、時間が過ぎてしまいました。

結局、トイレ休憩のため塩見坂（しおみざか）の道の駅に立ち寄ったときは、22時半なっていました。
すっきりして、車に戻り、目を閉じて、これからのタコエギングのイメージトレーニングをしてみます。
とは言え、ズル引きなので大して難しくはないのです。

ばかばか釣れたらどうしようー、タコ刺しをわさび醤油で・・・、それにやはりタコ焼きでしょ！


ふふふ・・・・・・・・・・・・。




！　



少し長めの休憩を終え、いつものことながら、ライトのいらなくなった道を浜名湖の舞阪へと向かいます。


土曜日　午前5：20　大倉戸の海の様子。濁りでキスはダメそうです。


舞阪漁港についてみると結構な人出です。


　少し濁っていて水量も多いです。アジかイワシのようですが、今日はダメなようでした。

タコは、水潮（塩分が薄くなった状態）に弱く、梅雨時は釣れなくなります。
ちょっと心配です。

しかし、市場前には、何人かがエギを投げています。
私も、曲がり角付近で始めることにしました。

ほどなくして、右隣の人が、小ぶりのタコを上げました。
いるにはいるようです。
それから、30分ほどして、また別の人が先ほどより少し大きめのタコを上げました。

私は、パウルとサッカーとのことを考えながら、ずるずるを繰り返していました。


ときどき、岸壁を覗き込みます。タコが"うろちょろ"していることがたまにあります。


そのとき、氷を積み込む順番待ちのために漁船が市場前にきました。


この船がいなくなった後、この場所に誰もいなくなったので、じわじわ移動していくことにしました。



　タコエギはわずか1時間ぐらいでこんな風に・・・、安ものはダメかな・・・。


そして、その後、私を待っていたものは・・・・、
というほどのこともないのですが・・・・。


ずるずる、ズル引きしていると何かに引っ掛かりました。
タコかもしれません。貼りつかれたのかな？
暫く待ちましたが、動く気配がありません。
しかたなく糸を切ることにしました。しかし、藻が抜けるような感じでずるっと動きました。

おっ！　タコかもしれない！
結構重いです。　しかし、ときどき、ゴンゴンと引くような気がします。
気のせいかもしれませんが・・・。　タコは・・・・、引きません。

何を期待していいのか、エギなのでエサ釣りと違い対象が限定しています。
期待するものが分かりませんが、とにかく、何かの期待をしながら巻きあげます。


そして、私のエギが、藻の塊と一緒に水面に現れました。
そしてその藻の塊の下に、ぶら下がるようにして別のエギが・・・。

？？？

まだ、ゴンゴンしています。
さらにエギを持ち上げると、そのエギの糸に絡まった別の糸が・・・・。

？？？

そして、水面を割って出たのは・・・。

？？？




　どうして？


隣の人は、すごい！すごい！と大喜びです。

図示すると

　　　｜　糸
　　　藻の塊と私のエギ
　　　｜糸
　　　別のエギ
　　　　｜糸
　　　 ｜
　　　　　～　にょろにょろ

となります。しかもこいつ、口に針掛りしていません。トリックサビキの小針が背びれに掛かり、
いとが一巻き胴体に絡んでいるだけでした。

ミラクルです！　　ひょっとすると、ドッキリカメラかもしれません。



近くで、二人でこの珍客を覗き込みます。


？？？

ウナギですか？　あれ、アナゴですか？いや違うな～。

暫くして別の人も見にきました。
アナゴじゃないな～。なんだろう。

私は、だれか、これはタコだ！　と言うことを期待していたのですが・・・、
誰も言ってくれませんでした。
もちろん私も口には出しませんでした。

アナゴじゃないですよねえ。ウミヘビでは・・・・。

急にウミヘビという言葉に引いてしまわれたようで、
食べてみたら・・・と、皆さん、離れて行かれました。

これは、ホタテウミヘビです、というかそれに変化しているタコで間違いないと思います。ただお持ち帰りする気にはなれないので、さようならしました。
まさしく、"変化"　による逃避術ではないでしょうか。

静かに海の底へと消えて行きました。

まさに、ミラクルでした。そして、私は蛸が"虫"であると確信しました。




　ついてきたエギです。　烏賊用の2.5号です。私は3.5号を使っていましたが、蛸が小さいのでこのサイズを使う方が多いようです。


そして、このエギに交換して暫く投げていると、



小ぶりですが、最近のアベレージサイズのタコです。
蛸の寿命は、1年ちょいぐらいでどんどん大きくなります。　でも水潮に弱いので、梅雨時にはかなり死滅します。

タコの恩返し！　そんな言葉が頭に浮かびました。


結局、この一匹のみでした。堤防の方もやりましたが、ダメでした。
周りもダメそうでした。
テンヤ＋カニの方もダメなようでした。
そちらがよければ、すぐ冷凍がにを買いに行くつもりだったのですが、
今日はその必要もありませんでした。

10：45　撤収。

あ、そうそう忘れてました。　蛸は、　　"鱆"　とも書きます。
「しょうがねえな～！」　と言わないでください!!!